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経営者紹介

【関西イキザマ図鑑】#28 着物を日常に、笑顔をつなぐ場づくり | Kimono Morico 森 有美さん

氏名

事業名

設立

経歴

私は、宮崎県出身です。奈良の和裁専門学校で学び、和裁技能士の国家資格を取得。その後は地元の結婚式場の衣装部に勤務し、和裁や衣装の管理・調整などに携わりました。結婚を機に京都へ移り住み、子育てをしながらも「着物に再び関わりたい」という思いを抱き続け、着付けサークルを立ち上げました。着付け技能検定を取得し、現在は着付けの依頼や着物に関する相談も幅広く受け付けています。趣味はバドミントンとネットショッピング。和裁・洋裁のスキルを活かし、現代のライフスタイルに寄り添った形で着物の魅力を伝える活動をしています。伝統文化と日常を繋げる存在として、地域に根差した活動を展開しています。

事業内容

主な活動は「初心者でも気軽に学べる着付けサークル」の運営です。小さなお子さま連れや妊婦さんでも安心して参加できることが特徴で、参加費は集会所の利用料のみ。着物や道具は家庭で保管しているものを持ち寄ってもらうスタイルで、経済的な負担を最小限に抑えています。さらに、冠婚葬祭や行事などでの着付け依頼にも対応しており、地域の方々から信頼を寄せられています。また、着物に関する相談やアドバイスも行い、購入やお手入れに不安を持つ方々にとって頼れる存在となっています。「着物に触れたいけれどハードルが高い」と感じる方々が、一歩を踏み出せる場を提供しているのが特徴です。

創業きっかけ

子育て中に着付け教室へ通いたいと考えた際、子連れでは参加できない現実に直面しました。家族も近くにいない環境で学ぶ機会を失い、深いショックを受けた経験が原点です。また、日本の民族衣装である着物を着るために高額な費用が必要な現状にも疑問を抱きました。「もっと気軽に着物に親しめる場所をつくりたい」「誰もが諦めずに着物を楽しめる環境を広げたい」という思いが強まり、着付けサークルを立ち上げる決意をしました。特に小さなお子さまを持つママ達が安心して学べるよう、子ども同士で遊ばせながら大人が学べる仕組みを作ったのが大きな特徴です。この活動は自身の体験から生まれた、切実でリアルなニーズに根差しています。

理念

「着物に興味を持つ人が、関わる前に諦めないように」。この想いを理念として活動しています。着物は敷居が高く、金銭面や環境面のハードルが多い文化ですが、本来はもっと自由で身近な存在であるはずです。そのため、サークルでは経済的な負担を減らし、誰もが安心して挑戦できる雰囲気づくりを心がけています。さらに近年はコロナやインフルエンザといった流行病の影響で、親御さんが人との接触に敏感になり、参加をためらう場面もありました。だからこそ、安心できる小規模な集まりで、子どもたち同士が遊び、大人たちが和やかに学べる場を維持することに大きな意味があると感じています。サークルを通して参加者同士が少しずつ仲良くなり、笑顔が広がっていく姿を見るたびに、活動を続けて良かったと心から実感しています。着物はただ技術を学ぶものではなく、人をつなぐ温かなきっかけなのだと強く感じています。

今後展望

今後は子育て世帯だけでなく、ご年配の方や学生、地域に暮らす外国人の方など幅広い世代が交流できる着物コミュニティをさらに広げていきたいと考えています。着物は単なる衣服ではなく、日本文化の象徴であり、人と人を結びつける力を持っています。将来的には、定期的な着物イベントや地域行事とのコラボレーションを行い、参加者同士が自然に繋がり合える場を作ることが夢です。また、自身の裁縫の技術を活かして、着物の修繕やお直し、さらに着物や帯のレンタルができる拠点づくりにも挑戦したいと考えています。そうした店舗を持つことで、より多くの人が「着物を気軽に着たい」と思った時に背中を押せる環境を整えたいのです。最終的には「着物に関わって良かった」と心から思える人を一人でも増やし、その積み重ねを通じて日本文化の継承に貢献していくことが私の大きな目標です。

コメント

森さんのお話を伺い、「着物はただ着るものではなく、人をつなぐ力を持つ」という事が強く心に残りました。子育て中に学ぶ場を失った経験から、「諦めなくていい環境をつくりたい」と立ち上がったその原点には、ご自身の悔しさや切実な想いが込められており、だからこそ参加者に寄り添った活動ができているのだと思います。

また、参加者が着物を通じて少しずつ打ち解け、笑顔を見せていく姿を大切に見守る森さんの姿勢は、文化を継承するという大きな使命感に加え、「人を思う温かさ」に支えられていると感じました。今後は修繕やレンタルなど、多角的に着物文化を広げていくビジョンもあり、現代の暮らしに即した着物の新しい形を築いていく存在になられるでしょう。

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