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Interview

経営者紹介

【関西イキザマ図鑑】#47 “言葉”と“お酒”が人をつなぐ場所 | Bar SHIRUBE 山本奈穂さん

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経歴

私は神戸出身で、中学・高校・大学と大阪の学校に通ってきました。大学では法律学を専攻し、学会への参加や論文での受賞など、法律学者を志して真剣に学んでいました。なかでも労働法に強い関心を持ち、「頑張りすぎて苦しむ人を救える法律を学びたい」と思っていました。
一方で、在学中からライターとして個人で活動を始め、今もその仕事を続けています。法律や税金のような専門的な内容から、恋愛・店舗紹介・人の物語まで幅広く執筆するなかで、人の想いに触れることが自分の喜びだと気づきました。
趣味は読書、ラップ、短歌、ジム通いなど。中学生の頃から続けているラップでは、韻を踏む中で自分の感情をどう表現するかに挑戦してきました。短歌や音楽など、形は違っても“言葉で心を動かすこと”が私の原点です。

事業内容

現在は大阪・玉造エリアで、ウイスキーを中心としたスタンディングスタイルのバーを経営しています。お店の場所は、半年ほどかけて自分の足で探しました。下町の人情を感じられるこの街で、人と人が自然に言葉を交わせるような場所をつくりたいと思ったからです。
扱うお酒はスコッチウイスキーをはじめ、新しい蒸留所の情報を常にチェックし、珍しくて面白いウイスキーも積極的に取り入れています。お客様には、メニューの説明付きリストを用意して、初心者の方でも安心して楽しんでいただけるよう工夫しています。
立ち飲みというスタイルを選んだのは、ラフで自然なコミュニケーションを生み出すためです。お客様同士が話し始めたり、仕事帰りにふらっと寄れるような“気楽さ”を大切にしています。

創業きっかけ

このお店を始めるきっかけは、昔からの友人から「一緒にバーをやらないか」と誘われたことでした。最初は経営だけを担う予定でしたが、内装工事の途中でその友人と連絡が取れなくなり、気づけば自分がカウンターに立つ立場になっていました。
初めは戸惑いもありましたが、学生時代から“誰かの居場所をつくること”が好きだった私は、この状況を前向きに受け止めました。中学・高校では生徒会長を務め、既にある場に馴染むよりも、自分で環境をつくりたいと思ってきました。
法律を学ぶ中で「人を守る仕組み」を考え、音楽や短歌では「言葉で誰かを支える表現」を探してきた私にとって、バーという場は“人の心をほぐす居場所づくり”の延長線上にあると感じています。

理念

私のお店は、「お酒を飲む時間を通して、知り合い(知る辺)を増やし、明日への道標を見つけていただける場所」を目指しています。
日々の仕事や生活の中で疲れを感じている方が、ふらっと立ち寄って、誰かと話すことで少し心が軽くなる。そんな瞬間を生み出せるお店でありたいです。
立ち飲みという形式には、自然体で会話が生まれやすいという魅力があります。肩書きも年齢も関係なく、同じ空間で同じ時間を共有できることで、人と人とのつながりが広がっていく。その中で、私自身も多くの出会いに支えられています。
このバーを通じて「居場所をつくる」という自分のテーマを、これからも形にしていきたいと思っています。

今後展望

今後はウイスキーに加えてジンの種類もさらに増やし、料理とのペアリングも取り入れたいと考えています。単にお酒を提供するだけでなく、「食との出会い」も楽しめるバーに進化させていきたいです。
また、大学時代から夢だった“表現の場を持つこと”も、少しずつ実現していくつもりです。創作活動をなさっている方々の作品を置かせていただいたり、SNSを通じて広げたりと、クリエイターが羽ばたくきっかけになる場にもしたいと思っています。
個人としても、音楽・短歌・小説など自分の言葉を世に出す活動を続けていきます。自分の心に正直に、納得できる表現を追求しながら、死ぬまで“自分だけの言葉”を探していきたい。それが、私の生き方です。

コメント

山本奈穂さんの物語は、「言葉」と「場所」という、いっけん異なる表現手段が、深いところでつながっていることを教えてくれます。

法律を学び、言葉で人を守る術を探しながらも、ラップや短歌、ライティングといった多彩な表現を通して「人の心に触れること」を追い求めてきた山本さん。その延長線上にあったのが、今の「Bar SHIRUBE」という“居場所”なのだと思います。

取材を通して印象的だったのは、彼女の語る“人との距離の近さ”へのこだわり。
立ち飲みという形式は、単なるスタイルではなく、「人が素のままで関われる環境づくり」という信念の表れです。法・文・音──異なるジャンルを横断しても、軸は常に「人と人のあいだにある温度」。その一貫した感性が、言葉とお酒を通じてこの空間に流れています。

きっとこの店には、ただ酔うためではなく、“誰かの言葉に酔いたい夜”に訪れる人が多いはずです。
山本さんの生き方自体が、大変魅力的でした。

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